レポート
アジア太平洋地域の小売の未来
アジア太平洋地域の小売の未来
アジア太平洋地域が世界小売業界成長の約75%を牽引
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レポート
アジア太平洋地域が世界小売業界成長の約75%を牽引
新型コロナウイルスの影響で、小売業界のデジタル化が世界中で急速に加速しています。ベイン・アンド・カンパニーの新しい調査結果によると、特にアジア太平洋地域がデジタル化の加速により、全世界の小売業界成長の約75%牽引していることが分かりました。高度なデジタル成熟度を誇る当地域では、オンラインでの売上成長率やeコマース取引が大幅に増加しています。他の市場でも同じような傾向がみられ、小売業界には新しい戦略が必要となっています。
2014~2019年にかけて、アジア太平洋地域の小売販売の年平均成長率は、世界の他の地域の4倍以上の伸長を見せ、既に浸透率の高かったeコマース市場もさらに拡大しました(当地域のオンライン普及率は2014~2019年の間に9%から19%へ上昇、他の地域では6%から11%へ上昇)。オンライン決済の売上も約2倍に迫る勢いで増加し、このような高度にデジタル化された市場だからこそ、アジア太平洋地域は世界の小売業界の成長の原動力となっており、他地域の将来を予測する上で重要な市場となっています。
小売業界は、パンデミック前からデジタル変革やeコマースへの転換に着手していましたが、新型コロナウイルスの拡大によって変革が加速しました。
ベインの最新の調査結果から、今後このような危機下でも競争力をつけるために、多くのアジア太平洋地域の小売企業の経営層は、下記の6つのアクションに重点を置いていることが分かりました。
ベインのパートナー、ゴヴァース健二は日本の小売市場について、次のように述べています。「日本では小売企業の利益率は比較的低い上に、デジタル化の波がさらに経営を圧迫します。一方で、この状況は根本的に事業を高利益ビジネスに変革させ、サプライチェーンシステムを刷新させるための10年に一度の機会ともなり得るでしょう。」
パンデミック以前であっても小売企業が競争力を保ち、事業を継続していくことは容易ではありませんでした。コロナ禍で変化のスピードは劇的に加速しましたが、多くのアジア太平洋地域の小売企業にとっては有利な状況であると言えます。健全なプロフィットプールがあるこの地域には、業界の新たなデジタル化の未来を牽引する力を持つ企業が多く存在しているのです。
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